ODN  トピックスより



【畳の特徴】
●最近の住宅はフローリングの床材が多くなっているが、私たち日本人にとって畳の和室はなぜか落ち着く空間である。
●それは畳の特長に注目してみると理由がわかる。まず、畳には湿度を調節する作用がある。
畳は空気中の湿度が高いと湿気を吸い、逆に乾燥すると空気中に水分を放出する。
その結果、じめじめとした梅雨の時期も畳の部屋は比較的過ごしやすいのである。
●また、畳の表にはイ草が使われており、これが適度なクッションになる。
昼寝をする時にごろりと横になっても痛くなく、歩く時も気持ちよい感覚がある。
●畳の材料であるイ草は、もともと利尿や炎症を取り除く作用、止血の効果がある漢方薬で、
その香りには人をリラックスさせ、ストレスを解消する鎮静作用がある。
●和室に入ると落ち着いた感じがするのは気のせいではないのだ。
畳は多湿な日本の気候に適した床材であると同時に、リラックス作用のある優れたものだったのである。


【畳の大きさ】
●ござや薄べり、じゅうたんなどを買って寸法が合わなかったということはないだろうか。
実は、畳のサイズは一つではなく、6畳間といってもいろいろな大きさがある。
代表的なものを挙げてみると、京間、江戸間、団地間がある。
●この中で一番広いのは京間で、主に近畿から西の地域で使われており、
一畳あたりのサイズは、長さ191センチ、幅95・5センチである。
●また、江戸間は関東間ともいわれ、主に関東より東の地域で使用されており、
こちらのサイズは長さ176センチ、幅88センチである。
●そして、団地間は主に高層の集合住宅などに使われているサイズで、全国的にみることができる。
団地間のサイズは長さ170センチ、幅85センチで、江戸間よりもさらにひとまわり小さいものである。
●この中で一番歴史があるものは京間だが、なぜ京間以外のサイズの畳が必要になったのだろうか。
江戸時代にはたくさんの家を建てる必要があり、家を早く建てるために柱の間隔や出入り口、窓のサイズをそれぞれ統一した。
畳の大きさもこれに伴って新しいサイズが決められ、これにより「江戸間」が誕生したのである。
●また、戦後の高度成長に伴い、都市周辺では住宅を数多く供給する必要がでてきたため、集合住宅が盛んに建設された。
このときも、団地の部屋のサイズに合わせて新しい畳のサイズが生まれた。これが「団地間」の由来である。
●京間と比べて団地間は、一畳あたり長さ20センチ、幅10センチ程度小さくなっている。
京間の部屋で暮らしていた人が団地間の部屋に引っ越した時には、その部屋の狭さにびっくりしてしまうのである。

ODN Topics より

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